<初級編> <中級編>からもお判りいただけるように、単語のパーツ(接頭・接尾辞など)を意識すると、単語の理解が深まり、さらに語感がわかるようになってきます。語感がわかると和訳をひとつひとつ覚える必要がなくなるので、
暗記(苦行)
の、感覚も薄くなっていくはずです。
さらに、単語を分解することに慣れてきたら、それぞれの単語の持つ「核」の部分にも意識を向けていきましょう。
ここでは、induce の感覚を紹介します。
共通点をみつけて関連付けをする
■induce:引き起こす、説得する(動詞)
induceは、これらの単語の仲間です。
↓
introduce
produce
deduce
↑上の2つは、
イントロデュース / イントロダクション、プロデュース / プロダクションといった、カタカナ語としても使われますね。(deduceは、すこし難しめの単語です。)
もし、induce や deduce が定着していなかったら、introduce、produceにからめて、今日覚えてしまってくださいね。
(関連付けができると、覚えやすくなります!)
induce の “核”
まず、これらの単語の「核」の部分です。
induce
introduce
produce
deduce
すべて duce が含まれているのがわかりますよね?
duceは、漢字で「導」のイメージを持ってください。
導く「導」です。
このduceを踏まえて、induceを理解しましょう。
それでは単語を分解していきます。
in + duce
in- には、「その状態へ」という意味があります。
ここにduce「導く」を追加すると、
「その状態へ導く」
↑単純に、こうなりますよね。
すると、意味がすっと入りませんか?
■induce:引き起こす、説得する(動詞)
その状態を導く①現象 →引き起こす
その状態を導く②思考 →説得する
intro + duce
では次に、introduceです。
意味は、「紹介する」「導入する」。
わざわざ和訳を説明する必要はないと思いますが、すでに知っている単語をおさえた上で新しい単語がより理解できますので、確認しておきましょう。
intro- は、「内側に」という意味を持っています。
方向を表します。
intro + duce = 内側に導く
中に引っ張り、導くことが、紹介であり、導入です。「イントロダクション」も、そういった文脈で使われますよね。
pro + duce
次に、produceです。
produce:作り出す、生み出す
pro- は、「前へ」という意味を持っています。
pro + duce = 前へ導く
何かを生み出す時のイメージは、アイデアや計画を形にする、導く感覚です。もし「前へ」の感覚がしっくりこなかったら、あなたの側から、市場や世の中へ向かって、形にし、送り出すことを想像してみてください。こちら側から、あちら側(前方)へ、送り出すイメージです。
proceed、provide、prolong のpro-も同じです。
(「前方へ」のイメージを広くもって、これらの単語を眺めてみてください。)
de + duce
deduceはどうでしょうか。
de- は、「~から」という意味で from に似ています。
de + duce = ~から導く
意味は、「推定する」「演繹する」。
これは訳を知るとすごくわかりやすいですね。すこし難しい単語ですが、de- と duce を知ると意味はわかりやすく、無理矢理覚える必要がなくなります。
duce の意味については、
「えー覚えるのー?ちょっとだるいなぁ・・・」
と思ってしまうと、脳が消極的になる気がするので(この状態は「覚えにくい」に分類されます)、イントロデュース、イントロダクションの「導入」から、「導」のイメージをさくっとインストールしておきたいですね。
知っている単語を活用できると、簡単です!
さて、暗記しない単語の覚え方を、初級・中級・上級編に分けて解説しました。
(1)初級編: 品詞の見分け
(2)中級編: 接頭・接尾辞を意識して単語を理解する
(3)上級編: 「核」の意味を追加して、どんどん増やす
基本は「理解する」です。
「わかる感覚」は記憶に定着しやすいので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
そしてこの個々の知識を、長文のストーリーと組み合わせていくと、語彙は覚えられます。
特にTOEIC®︎のPart7など、トピックの範囲が限られた試験にはかなり有効だと思います。たとえばTOEIC®︎なら、基本はビジネスに関するものですから、頻出語からおさえていけば、無駄な労力を極力排除して、覚えることができるはずです。