暗記せずに語彙を身につける、其の③は、

「長期記憶」について。

脳の記憶のしくみ、

長期記憶を作るために、エピソード記憶

利用するお話です。


その①とその②はこちら


【暗記せずに語彙を身につける その① 】 TOEIC900の語彙力を暗記なしで身につけられた理由


【暗記せずに語彙を身につける その②】 2分の手間で20%記憶力アップ


エピソード記憶とは

エピソード記憶とは、
「場面とともに覚える」ことです。

たとえば、思い出話をする時、

昔おじいちゃんと一緒に、

車で遊園地に行って・・・

とか、

お土産屋さんで〇〇を買ってもらって・・・



というような、

何気ない一コマを
鮮明に覚えていたりしますよね。

特に印象的な出来事は、

かなり長い期間、記憶に残り、
思い出す事ができます。


エピソード記憶とは、

そういった、いわば経験の記憶です。

1回で覚えられる、記憶学習

では、それをどう英語学習に転じるか?

が問題。
知りたいところですよね。


私がエピソード記憶なるものを
知ったのはだいぶ後のことですが、

学生時代に何をしていたかというと、

擬似エピソード記憶、と言えると思います。


英語の教科書や参考書の世界を、
「経験」することはできません。


ですが、”擬似” 体験することは可能です。


それが、ストーリーとして覚えることです。

ストレス以外の何ものでもない、単語の暗記

単語の暗記はストレスである。


そう感じている人も多いのではないでしょうか。
(仲間ですね!)

しかしそもそも、

なぜ単語の暗記が
しんどいのか?


それは、

スペルと意味を、無機質に組み合わせる作業だからです。


それが当然と思っていると
ピンとこないかもしれません。


人間の脳は、
関係のないことを
つなぎ合わせる事が苦手です。


日本人にとって、
英語のスペルと、日本語の訳には、

何の関連性もありません。

関係のないもの同士の組み合わせを作るのは、ひたすら繰り返して頭に入れるしかないのです。

それが暗記の苦行、ですね。

では、そうではない、
エピソード記憶とは何なのか?その例を挙げてみましょう。

海外旅行の英語は、自然とマスターできる


たとえば外国での入国審査で、
訪問の目的を聞かれます。

その時に、「観光です」と答える時、sightseeingが、ぱっと出てくる人は多いはずです。

それは、単に「簡単だから」ではありません。


なぜかというと、sightseeingの受け答えは、
通常2~3回で身につくからです。

1回で身につく人も大勢いるでしょう。


その質問は、ほんの数秒の出来事にも関わらず。



初めての時はドキドキして、
頑張って答えるかもしれません。

ですが、経験すると
慣れてくるんですね。

それを英単語学習と比べてください。

全く知らない単語を、
2回、3回で覚えられますか?

しかも数秒の学習で。

記憶の効率が全く違う事がわかりますよね。


単語帳の暗記をする時、
何十回と、スペルをノートに
書き殴って覚える人もいます。


あなたは、

何度見ても、何度書いても覚えられない・・・

そんな単語がありすぎて悩んでいませんか?

「あぁぁ、この単語は見たことがある!でも意味が思い出せない!」



とか、


「初めて見た単語だと思ったけど、単語帳をチェックしたら過去に勉強したことがあった・・・。」



とか、

そんな経験です。

でも、海外旅行にまつわる英語、

sightseeingだけでなく、


immigration

baggage claim

departure

arrival

duty free



こういった単語も、
一度経験すれば、

すんなり意味がわかるはずです。

それが、エピソード記憶、なんですね。

実際に体験すると、
そうしたことを簡単に記憶できる
のです。

その時、脳内では、
単語帳の暗記とは

全く違う記憶のシステム
働いているのです。

“体験”できない単語をどう覚えるか

だからといって、

すべての単語を覚えるために
海外旅行をするなんて、

現実的に不可能ですよね。


そこで、疑似体験、というと大袈裟ですが

実際に使われる方法から会得する
という方法が有効です。


それが、私の場合は、リーディングの教科書でした。

リーディングの授業は、
文章を読みます。

その文章を、情景を思い浮かべながら
できるだけ自分の体験に寄せて読みます

それによって、

私は本当に、

単語帳の暗記学習なしで、
それなりの語彙力が付きました。


単語帳は一切放棄でも、です。


また、その具体的な学習法・コツをまとめて、
実際に受講者様に

「暗記しない学習法」として、

レッスンを行ったところ、

「この方法なら覚えられる!」

「もっと早く知りたかった!」


と、

感想を頂いています。

単語帳がなかったら、語彙が不十分じゃない?


そう思われるかもしれませんが、いったいいくつ覚えたらあなたは満足しますか?


単語をすべて記憶することは不可能です。

それは、日本語でも同じです。


たとえばTOEIC®︎対策をするなら、

公式問題集の単語を
片っ端から覚えた方が、

少ない数を、効率よく覚えられます。

目にした単語を全部覚える

まずは、目にした単語を
すべて覚えることに注力します。


出題されるかどうかわからない単語を
何十時間もかけて覚える
より、

リーディング問題をうまく使って、

目にした単語を1回で覚える方が
ずっと効率的です。



使われ方も一緒に頭に入るので、
次に出てきた時に思い出しやすい。



私自身に関しては、


単語帳がボロボロになるまで、
何度も何度も繰り返し
暗記学習をするような
忍耐力がありません。


どうせ結局 覚えられないでしょう。

暗記が苦手だったら是非試してほしい


だからこそ、

私と同じように
暗記が苦手な人には、

このやり方を試してほしいのです。

延々と暗記の苦痛に耐えるのではなく、

覚えられないことに頭を悩ませるのではなく、


まずは公式問題集の単語を
頭に入れてください。

長期記憶のしくみを使って。


TOEIC®︎は、
文書やトピックに傾向がある、
つまり、よく使われる単語も
そこまで多くはありません。


頻出語をいかに、すばやく読み取れるか。

それが一番大事です。


素早く読み取れる単語が多いほど、
自信をもって理解できる文が増えます。


知らない単語が出てくるのは当たり前。

だからこそ、「絶対自信がある」単語が大事です。

日本語の文章中に、

馴染みのない言葉、
知らない四字熟語があったとしても、

前後が読めれば、文章の意味は取れますよね?

それこそが、試験を乗り切るスキルでもあります。

わからない単語があっても、読み取る力


疑似体験を意識して、リーディングの文章を読む。


確実に単語を定着させる。


自信を持って読める文を増やす。


これができれば、
わからない単語があっても
前後の文脈から推測する力がつきます。



なんとなく覚えている単語ばかりだと、

「こんな意味だろう」が重なって、

自信を持って文章を読むことは難しいですよね?


何となく読んで、何となく理解して、
いつのまにか文章が終わってしまって、


「結局何が言いたかったの?!」

と、最後に感じることはありませんか?

リーディングで単語を記憶する方法


その②に書きましたが、


【暗記せずに語彙を身につける その②】 2分の手間で20%記憶力アップ


単語の長期記憶の条件は、
スペル、意味、発音がそろうことです。

音読をすると、単語テストの結果が20%上回る研究結果もありました。


そこへエピソード記憶を掛け合わせる。


私自身が行って、(当時無意識に)
語彙力をつけた方法は、

リーディングの教科書の音読で、

この条件が偶然にも揃っていました。


単語帳がストレス、

暗記学習をしてもちっとも覚えられない、


そんな悩みがあれば、
是非参考にしてみてください。