暗記しないと覚えられない
もしこの理屈が絶対的なものだとしたら、嫌な暗記を延々と続けなければいけません。暗記が嫌いだと、こんな苦痛はないです。
そこで私は、シンプルに、「覚えにくいことって何だろう?」と考えました。
暗記しないと覚えられない、思い込みを外す
「覚えにくいこと」・・・たとえば円周率。
π = 3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 50288
これを覚えるのは、私には絶対にムリです。
なぜか?
数字が並んでいる順番が「無秩序」だからです。
3.14は覚えました。これ自体は苦労しませんでした。
しかしそのあとの1592653589793…………………?
まったく意味不明です。
頭がフリーズします。
なぜ、スラムダンクは長編にもかかわらず、1回で内容を覚えたのか
対して、漫画のスラムダンクは31巻あり、もっと情報量が多いはずですが、登場人物の名前、性格、人間関係、ライバル校の校名、生徒の名前、過去のいきさつなど、ずっと前に読んだはずの内容が頭に入っている。
しかも1回しか読んでいないのに。
「そんなの当たり前じゃん、みんなそうだよ」と思いますか?
では円周率は覚えられないのに、その何百倍もの情報量がありそうな、スラムダンクの内容を事細かに覚えられるのはなぜでしょうか?
その違いを考えたことはありますか?
漫画だけでなく、ドラマや小説を、誰でも楽しむことができます。
先週見たドラマの内容、さらにはそれより何週間も前に見た内容も頭に入っているのに、こと単語テストになると、先週の内容は覚えていないのです。ドラマよりずっと単純で、少ない量なのに。
記憶に残りやすい方法を考える
暗記をせずに勉強する方法を、高校生の私は考えていました。そして、この現象を私なりに整理しました。
・円周率は、数字の並びが無秩序
・単なる数字の羅列 = 単調な情報は頭に入りにくい
・スラムダンクはあらすじ・人物の性格・背景がわかる
・ストーリーがあると覚えやすい
・感情や疑似体験が伴うと、さらに記憶に残りやすい
・・・などなど、
具体的に、記憶しにくいこと、記憶しやすいことを自分なりに考えて、勉強方法を考えていきました。
しかしどれだけ全力で暗記を避けようとしたか、今考えると暗記嫌いの度合いがすごいですね。
”できるだけ楽に” 身につける
記憶しやすいことを考えることで、結果的に省エネになりました。
時々、「覚えられない」という感覚を何度も何度も重ねると、「私は頭が悪い」と錯覚してしまう人もいます。でも、暗記できないのは頭が悪いのではなく、それ以外の方法を知らないだけです。現に、単語帳は放り出していたのですから。
ですから、もしあなたが、できるだけ楽に英語をマスターしたいと思ったら、私の経験と方法を知って頂きたいと思いますし、受験生にもきっと役に立ちます。
その”核”となったのは、次の2つです。
・整理して、理解する
・ストーリーで覚える
集約すると、この2点が英語を身につける結果になりました。
また、記憶しにくいこと、記憶しやすいことの整理は、英語だけでなく他の科目にも役立ちました。
特に、暗記が多いとされる日本史が得意になりました。
暗記が嫌いなのに、歴史が得意だなんて、意外だと思いませんか?
でも実際、時代の流れ、歴史上の人物、文化、年号・・・教科書に載っていないことも含めて覚えることができたのです。日本史の話はまた別の機会として、とにかくリーディングによって英語の総合力を身につけていくことができたのです。