[TOEIC脱塗り絵#2] とりあえず今の実力でPart7を伸ばす
もっと得点できるはずなのに結果が出ていない。
という人は結構います。
TOEICで「塗り絵をやめるぞ!」「最後まで全問解くぞ!」という意気込みはとっても大切な視点ですが、
“脱塗り絵”を目指す前に、これをやっておいた方がいいなーということを、書きたいと思います。
特にPart7が苦手な人は多くて、
Part7のスコアが伸びれば800点、900点に届く人は多い現状があります。
今すぐできるPart7の対策として、できることは何か?
参考書を増やすのではなく、今すぐにできることをご紹介します。
ちょっと、一般論とは違うかもしれませんが、
TOEICの参考書で勉強しているけれど
必要な対策ができているのか、漠然とした不安がある・・・
そんな不安の解消にも役に立つので、
是非参考にしてくださいね!
<概要>
1.伸び悩む人の特徴
2. 今の実力でスコアを伸ばす(1)Part7に割ける時間を把握する
3. 今の実力でスコアを伸ばす(2)Part7の、得意・不得意を把握する
4. まとめ
1. 伸び悩む人の特徴
伸び悩む人の最大の特徴は
「自分に合った勉強法」「自分に必要な勉強法」に出会っていない、と言えます。
そうすると、「できるだけ頑張る」という、漠然とした行動になってしまうのですね。
試験で毎回、「できるだけ頑張る」と言っても、
現在と過去に変化がなければ、いつもと同じように「できるだけ」頑張って、いつもと同じような結果を得るだけです。
厳しいことを言うようですが・・・
でも、それはつまり、
「必要な勉強法」に出会えばできる、ということなんです。
英語って、誰にでもできるんです。
もし今思う通りになっていなければ、ただ、やり方が合っていない、というだけなんですね。
もしくは、「いい先生」に出会うことです。
いい先生って、漠然としていますが、要は「引き出してくれる」人です。
高明な、有名人でなくても良いです。
あなたのことを理解して、どんな長所・短所があるかわかって、伸ばしてくれる人です。
例えば、別の記事で書いた高校生は、私ととても相性がよかったんです。
彼の悩みは発音でした。初回に課題を出してもらって、ベタベタの日本語発音で・・・確かにこれはネイティブとの会話は辛いな、という印象でした。
が、同時に、長所もたくさんあった。
その上で、「これをやってみて」と与える。するとグングン伸びる。
それが私のティーチングスキル、と捉えていただければ望外の喜びですが、私の立場からすると、彼に関しては、非常に「相性」がよかった、という感覚があります。
こういう場面でしみじみと感じるのは、苦手を痛烈に感じた時に、
あなたのことを理解している、かつ、相性がいい、という先生に出会えることってすごくラッキーで幸せなことだ、ということです。
「この人は」と思う先生が
もし身近にいたら、ぜひ指導を乞うてください。過去に教わった、高校の先生にアドバイスを受けるのも1案だと思います。
【高校生の生徒さんの記事はこちら↓】
2. 今の実力でスコアを伸ばす(1)
そんな先生いないし、身近に英語を教えてくれる人もいない・・・!
という場合、(それが一般的であるとは思いますが)
いつもの勉強をこんなふうに変えて頂けるといいと思います。
Part7の話ですが、Part5、6にも応用できる内容です。
1つ目は、時間配分です。
リーディング問題は、全部で75分。
その中でPart5、Part6、Part7の3つのPartをこなします。
当然ながら、Part5とPart6でたくさん時間を使うと、Part7に使える時間が短くなります。
例えば、Part5とPart6に合計30分使うと、Part7は45分で解く事になる。
この時間配分は全問を解くシナリオとしてあまり現実的ではありません。
(Part5とPart6に30分かかるスキルでPart7を45分で解き切るのは・・・もしできるとしたら相当な猛者だと思います。)
そういう場合は、まず、
Part5を、「○分以内で解く!」
と決めます。
1問あたりのリーディング問題を最後まで解かない、塗り絵が当たり前だと思ってしまうと、脳が怠けて「できるだけ解こう」という曖昧な感覚になります。「できるだけ解こう」はやめましょう・・・。Part5を○分で解く、Part6を○分で解く、そういう感覚は大切です。
Part5と6に使う時間を決めると、Part7に割ける時間が決まります。
次は、その時間内でPart7を何問解けるのかを把握します。
例えば、
Part5:13分
Part6:12分
とした場合、Part7に避ける時間は50分です。
その中で、Part7を何問解けるのか?模試の問題集を使って試してみてください。
45問解けるのであれば、45問を満点として1問ずつ確実に解きます。
45問の得点力を最大限にするのです。
45問解くスキルで54問全てを解こうとすると、後半の得点率が落ちます。
それは速さを重視して正確に読まなくなってしまうのと、「全部解かなければ」という焦りで試験時間が終わりに近づけば近づくほど、判断力が鈍るからです。
それが、得点できるはずの場所で失点してしまう原因です。
時間を測って、模試を解いて、客観的に現在地を把握してください。それだけで、新たな勉強をしなくても得点率が上がっていきます。
また、これは”結果論”的なことではありますが、
時間制限を設けると、時間に関する感度が上がり、集中力・判断力が研ぎ澄まされて、英語を読むスピードそのものが上がるので、「〇〇以内で解く」と決めたPart5とPart6をさばくスピードが上がります。
とにかく、「できるだけ解く」をやめるだけで、スコアアップにつながるのです。
3. 今の実力でスコアを伸ばす(2)Part7の、得意・不得意を把握する
得意・不得意は誰にでもあります。今、最後まで全問解けないとしたら、不得意な問題に時間をかけるより、得意な問題に時間をかけることが合理的です。
得点できる問題を確実に取りに行くのです。
Part7では様々な文書が扱われます。
広告、
記事、
Eメール、
チャット(text message chain)、
ウェブサイト、
イベントの告知、
ビジネスレター・・・
などです。
内容や文書の形式が様々です。
また、
シングルパッセージ、
ダブルパッセージ、
トリプルパッセージ
といった3パターンの出題形式があります。
問題パターンもいくつかあって、
文脈の理解、
資料の読み取り、
語彙の知識、
NOT問題・・・
様々ですよね。そういう中でも、比較的解きやすいと感じる問題は、得点源になるので、いい加減に解いたら損です。
逆に、不得意な問題に時間を割きすぎるのも損です。
メールは得点できるけど、記事(Article)は苦手、
という場合は、得点できるメールで満点を目指しましょう。期待できないArticleに時間を費やすのはやめます。もちろん解くのは良いのですが、わからない問題に時間を長く使いすぎないようにすることです。
問題パターンでは、NOT問題が苦手な人が多いです。これは4つの選択肢のうち、3つが正しいので、迷うのは当然です。
NOT問題は、すぐに回答がわからなければ思い切って飛ばしても良いでしょう。わからないことに時間を使うこと、時間がないと焦りながら確信を持てないことを考えても、正解を選べるか・・・疑問です。
それより、得点できるところに時間とエネルギーを使う方が合理的です。
「どの文書、どの問題パターンが得意で不得意か」を把握していると、「これは取るべき問題」「これは解けなくても仕方ない問題」という判別がつき、不得意な問題に余計なエネルギーを使うことなく、得意な問題をより集中して解くことができます。
つまり
得点できるはずの問題の失点を防ぐ、
ということにつながります。
苦手なNOT問題に拘りすぎるより、得意な解きやすい問題を2問・3問多く解いたほうが合理的です。
1問を捨てることによって、より多くの問題を解く。
こうすると、精神面・疲労面でもプラスになるはずです。
現在の実力での時間配分、現時点の得意・不得意を知ることは、試験本番のスコアだけでなく、
次にどのような勉強をすれば良いかが自ずとわかります。
今、どんな勉強をしたら良いのかわからない、効果があるか不安、という状態なら、あなたの得意・不得意を見直すと良いと思います。今スコアアップのためにすべきこと、今後すべきことがわかるとかなりスッキリします。
一口でPart7と言っても、いろいろなパターンや要素がありますから。
少し脱線しますが、Part5がまるでダメなのに、Part7が得意、というタイプも存在します・・・。つまり語彙文法の知識はあまりないけれど、文章を読むことが得意なんですね。そういうタイプの方は、Part5はわかる問題をしっかり解いて、わからない問題は、最後の2択くらいまで考え、あとはスピード優先でカンでマークする。というのも1つのやり方です。
完璧主義を捨てて、柔軟に対応し、余計な時間とエネルギーを使わないようにします。
さらにPart6は文脈問題をしっかり解いて、語彙文法などの知識を問う問題は「わかる部分」だけにフォーカスする。そして最後に、Part7を全力で解く。・・・そんな作戦で臨むことをお勧めします。得意・不得意を知るだけで、本番の対策が変わり、これによって得点をより確実にすることができます。
4.まとめ
新しく参考書を買うのでもなく、勉強時間を増やすのでもない。
今すぐできる、Part7をスコアアップする方法は、
1. 今のあなたがPart7に割ける時間を把握する
2. Part7の、得意・不得意を把握する
この2点を整理することです。
解ける問題を確実に解く集中力が上がり、できない問題で不安や焦りを減らすことができ、今の実力でスコアをプラスすることができます。
さらに!このように整理することで、次の課題も見つけやすくなります。
冒頭で、伸び悩む人の最大の特徴は「自分に合った勉強法」「自分に必要な勉強法」に出会っていない、と書きましたが、
「必要なこと」も自然とわかっていくんですね。そうすると学習効率は上がっていきますし、気持ちも前向きになれるはずです。
・持ち時間
・実際に解ける問題数
・得意と不得意
これらを明確にすることで、無駄を省いた対策をしましょう。
最初はちょっとした「作業」なので、多少面倒に感じるかもしれません。
でも「知るだけ」でスコアアップできるなら
効果があるのかわからない勉強よりずっと意味があると思いませんか?