【多読】挫折しませんか? 〜読める文章・読めない文章〜

リーディングスキルを上げるために、
多読を行なっている人、もしくは勧められる人は多いと思います。

多読とは、読んで字の如く、
英文をたくさん読むことですね。

洋書や多読用の教材を主に使い、書籍の単位で、たくさん読んでいく学習法です。


ごく個人的な、肌感覚ですが、
多読にチャレンジしても、挫折する人が多いのではないかと思います。


なぜかというと、

TOEICのレッスンをしていると、

「Part7は、読んだことをすぐに忘れてしまう」
「答えがどこにあったか、見つけるのが大変」
「人名が覚えられない」

という方が多いんです。


そういう状況で、多読にチャレンジしたら、

本1冊、読むのつらくない?
 
(〇〇万語目指そう!と勧める人もいます・・・すごい)

登場人物が多いけど、大丈夫?

読みたい内容で、かつ、レベルに合った本って、簡単に見つかるのかな?


・・・と、思うわけです。

Part7の問題文は、通常、1ページ以下です。

幅を見て、

ダブルパッセージ→文書2つ、
トリプルパッセージ→文書3つ、それぞれ2ページ以下です。

そのボリュームの文の内容を忘れてしまうとしたら、本1冊はなかなか大変ではないでしょうか。

多読のメリットに「好きな本を選べる」ことを挙げる人もいますが、選べても、読んだ内容や登場人物を忘れてしまったら、物語のシナリオがつながらなくなって楽しめなくなってしまいます。


そして、好きで、かつレベルに合った本を探すのは、大変そうだな・・・と思います。


ちゃんとメモしながら読めば良いかもしれませんし、レベル別の教材の中から読みたいものを見つければば良いのかもしれません。

でも、私ならどうかな、と自分に置き換えると、やっぱり面倒くさそう、わざわざやらないかな、と思いそうな気がします。

多読のメリットを享受したい … 読める文章を探している人へ

とはいえ、多読にはメリットがあります。

たくさん読んだ方がいいに決まっています。

読むだけでなく、英語の4技能全て、書く、聞く、話すの面でも、触れる量は少ないより多い方が良い、ということは、誰にでもわかります。


多読にどんなメリットがあるか?は、いろいろなところで語られているので、わざわざここで書く必要はないと思います。

今回お伝えしたいのは、多読の教材に苦手感がある人には、別の選び方もあるよ!ということです。


それは、物語ではない、登場人物の人間関係を理解する必要がない本や文章を選ぶことです。


英語で小説を読めない・・・

ニュースは難しい・・・

そんな方には、事実やデータを中心とした文章がお勧めです。


書籍ならずばり、『ファクトフルネス』がおすすめです。
日本語版がAmazonベストセラー1位なので(掲載時点)、目にした or 読んだことがあるかもしれません。


↓AMAZON↓
FACTFULNESS(ファクトフルネス)
10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

https://www.amazon.co.jp/dp/4822289605/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_M9WJ8PJ8YBVAXV3WR2FH

『ファクトフルネス』をおすすめする理由


それは、


・事実とデータなので明快、ややこしくない

・図やグラフが多く、ビジュアルで理解が深まる
・章ごと、段落ごとにまとまっているので、細切れでも理解できる

・登場人物の名前と性格を把握する必要がない
・人間関係を覚える必要がない


そして日本語版をすでに持っていれば、


・プロの翻訳家の和訳を確認できる

という利点もあります。

多読の教材は、和訳がないこともあるでしょうし、長文ほど、翻訳がわかりやすい方がいいですよね。

なければ買っても良いでしょう。十分価値はあると思います。

ちなみに装丁は、日本語版と全然違うペーパーバックです。


もちろん、そもそも日本語版の『ファクトフルネス』が好きではないとしたら、やめておきましょう。ご紹介したのは、物語でないこと、人物名を忘れやすい人におすすめできること、あと、私が好きなタイプの本だからです。



※補足:ファクトフルネスの冒頭は、著者の体験談が語られるので、純粋に「事実」から入りたい人は、はじめの部分は飛ばしてIntroductionのクイズ(3ページ)からスタートすることをお勧めします。ただ、冒頭部分はとても面白い、そして本章でも(ごくたまに)引用されるので、できれば読んでください。もちろん、挫折しそうに感じたら飛ばした方が良いです。

そもそも日本語でも好みが分かれる

日本語でも、読める本と読めない本があります。(ありませんか?)


たとえば私の場合、小説なら、ほぼ著者で決まります。

どんなに有名な作家さんでも、友達のお勧めでも、苦手な文体・内容は、最後まで読み切れません。

ノーベル賞文学賞を受賞しているかどうかも関係ありません。


日本語で読むスピードは、平均か、すこし速めだと思いますが、読めないものは読めないんです。

それを踏まえると、多読に人気の本でも、タイトルや装丁が「好きそう」でも、読めない本かもしれない、Part7よりずっとボリュームのある本を頑張って読むのってしんどいよなぁ・・・と想像するわけです。


英語力アップのために多読を頑張っている人、本当にすごいですよね。
尊敬します。


同時に、私のように「読みたくないものは読めない」という人も、できることをできる範囲でやっていけばいいと思います。


*ちなみに、私は英語の本でも好き嫌いがあります。
*ちなみに(2)、私は過去の学習で多読をしていませんが(知らなかった)、学習期間が長いため、読む量は蓄積されていると思われます。