Apple Daily 廃刊 - 香港の民主主義 –
2021年6月24日を最後に、香港唯一の民主主義を謳うメディアが廃刊となった。
Apple Daily(邦訳:リンゴ日報)
この日は、香港史上、非常に重要な位置付けとなることでしょう。
NHKでは、次のように報じています。
“中国に批判的な論調で知られる香港の新聞「リンゴ日報」は、
香港国家安全維持法に違反したとして、警察に資金が凍結されて運営資金が底をつき、
24日の朝刊を最後に新聞の発行を停止すると発表しました。
リンゴ日報は、香港が中国へ返還されたあとも保障されてきた
「言論の自由」の象徴とされてきただけに、発行停止は市民に大きな衝撃を与えそうです。
リンゴ日報は、23日にニュースサイトで、24日の朝刊を最後に新聞の発行を停止すると明らかにしました。”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210623/k10013100041000.html
リンゴ日報(蘋果日報)とは
このところメディアで取り上げられているので、目にする人も多いであろう「リンゴ日報」。
1995年に香港で創刊された新聞で、
香港で民主主義を主張する唯一のメディアである、と。
「リンゴ日報とはなんぞや」という疑問について、簡単にWikipediaから抜粋します。
発行部数は約10万部。ネット版の購読者は約61万人に上り、香港の新聞で最大のネット版購読者数を誇る。1998年上期には平均約40万部、2011年上期には平均約29万部であった。
【リンゴ日報の由来】
蘋果日報という題号は、発行人の黎智英が発案したものであり、黎智英は「もしアダムとイブがリンゴを口にしなかったら、世界に善悪はなくニュースも存在しなかっただろう」と命名の理由を述べている。
【近年の動向】
反政府の姿勢であるがゆえに当局からの妨害を受けることが多く、
2014年6月中旬よりウェブサイトへの接続が断続的に困難になっている。
2014年香港反政府デモでは、
デモ側を支持する姿勢を明確に打ち出したことから
親中派から非難や攻撃を受けた。
2019年香港民主化デモでも
オーナー宅へ火炎瓶が投げ込まれたり、記者が襲われたりなどしている。
2020年2月28日、創業者の黎智英らが「違法な集会に参加した」として
香港警察に逮捕された。
4月18日、同じく「違法な集会」に参加した容疑などで、
黎智英らが再び逮捕された。
8月10日、発行元に200人規模の家宅捜索が入り25箱分の資料が押収された。
同日、香港国家治安維持法(国安法)違反の疑いで黎智英や幹部らが逮捕された。
2021年6月17日、編集と経営部門のトップら5幹部は、
国安法に違反した疑いで逮捕された。
この逮捕によって
2億5000万円相当の資金が凍結されたことで
新聞発行の継続が危機に陥った。
6月24日までに紙版の発行、
23日の深夜にオンライン版の更新を停止することを決定した。
一国二制度の維持と、ワンチャイナの思想
One China = 一つの中国(一个中国)のポリシーのもと、
中国大陸、マカオ、香港、台湾は、不可分の中華民族の統一国家「中国」でなければならない。
ここ数年の、香港に対する圧力は、(台湾に対してもですが)
外側から見ている私でさえ、
「なんかすごいな・・・」
という感じがあります。
内側にいる人たちは、もっと強く感じるものがあるでしょう。
中英共同宣言では、言論の自由は保証される約束だった
香港問題に関する中英共同宣言(1984年)において、
言論の自由は保証される約束だった。
ここにその、日英共同宣言、
Sino-British Joint Declaration on the question of Hong Kong
この記述をシェアしてくださった方がいます。
Rights and freedoms, including those of the person,
of speech, (←言論の自由)
of the press,
of assembly,
of association,
of travel,
of movement,
of correspondence,
of strike,
of choice of occupation,
of academic research,
and of religious belief
will be ensured by law
in the Hong Kong Special Administrative Region.
(香港特別行政区において)
*
香港は、この約束のもとに運営されてきたわけです。
民主国家において保障されている権利のもとに。
2021年6月24日のTwitterでは
これから
中国の人権問題は、何年も国際世論のテーマであり続けています。
ウイグル、チベットだけでなく、
他国の人権問題の助長も指摘されています。
そんな中でも、このようにあからさまな締め付けを実際に行う、
本当にすごい国だなと思います。
これから香港はどうなっていくのか。
イギリスへの意味が増加するのか。
最終的にはメインランドと同等になるのか・・・。
国際社会の主張を受け入れるのか・・・・・・。
香港の皆様が、できるだけ幸福であるよう祈ります。
最後に(英語のブログなので・・・)
今回の香港の報道を見ていると、
pro-democracy という単語がよく目に入ると思います。
democracyは民主主義。
ご存知の方、多いですよね。
ここにpro-がつくとどうなるかというと、
「民主主義を支持する」、「民主主義に賛成する」といった意味になります。
pro- には、「前へ」という意味があります。
民主主義に前のめりな、推し進めるイメージをもつとわかりやすいですね。
他に、pro-がつくわかりやすい例は、
proceed 進む
progress 前進
promotion 促進
propose 提案する(前に出す)
provision 用意(前もって見る)
・・・などが挙げられます!
わかば