休憩するとスキルが上がる!

・・・なんて、うれしいお知らせなのでしょう!!!

どうやらこれは、「一晩寝たら上達する」 とか、「記憶が定着する」と
昔から言われてきた、人類の経験則(?)の裏付けのようでもあります。

さらに「一晩」より、短い時間で、
かつ「目覚めた状態」(睡眠状態ではない)での休憩が良いそうですよ。

がむしゃらにやっているけれど、
イマイチうまく行っている気がしないな・・・なんて方は、

休憩の仕方の参考にしてみてください。

リラックスすることで、いい効果を感じられるかもしれません!

練習 → 休憩中にスキルアップ

この研究結果によると、

新しいスキルを取得するときには、

練習 → 休憩 を小刻みに繰り返すのが良いそうです。

practice → wakeful rest → practice


この繰り返し。


練習 → 目覚めている状態での休憩 → 練習

をリピートします。


ポイントは、wakeful rest で、
つまり、睡眠より効果が高いらしいのです。。。

そしてどうやら、この wakeful rest の時間中に


上達


という現象が起こるそうなのです。

何もしない状態が


上達


を導くと言うのは、不思議であり魅力的です!

skill improvement occurred during waking rest, but not during active practice 



これは、視点を変えると、

ただ時間だけかければ良いわけではない、
と言うことでもあると思います。


長時間ぶっ通しで勉強して、『時間の無駄なのかな?』と
不安がよぎった時など、

休憩も

戦略的に、学習の一部に取り入れると良いかもしれません。


練習 → 休憩 → 練習 → 休憩・・・

このサイクルを回してみましょう。

休憩中になにが起きているのか

もったいぶっても意味がないので、

ズバッといきましょう。

休憩中に何が起きているのか?です。


それは・・・


休憩中の脳内では、
練習した内容を、練習中の20倍という超高速で繰り返し”再生”されていた、ということなのです。

“再生” が、この研究のキーワードでもあるのですが、

20倍の速度で、練習を繰り返した。


これってすごいですよね?
休憩を入れると、練習量が20倍になるようなものです。

英語学習に生かすなら

英語学習への応用については、
独断と偏見になってしまいますが、

そもそもこの記事を書いている時点で、
私の経験則と照らせる部分があると感じている、

ということを前提に参考にして頂きたいと思います。


まず、理屈から考えると、
脳内で再生されるので、繰り返し行う学習には


・文法のドリル
・音読、シャドーイング

が、効果があると思います。

これらの学習は1回行って終わり、ではないですよね。
相当な天才でない限り、何度か行うものです。


ただ、その回数は人によって違う。
2〜3回で習得する人もいれば、10回繰り返しても身に付かない人もいます。


特に、いつも同じところで間違えるとか、
何度やっても身に付かない・・・という箇所に、
応用すると良いかもしれません。


次に、私自身の経験則からすると、

・語彙やフレーズの暗記
・音読


この2点が当てはまると思います。


というのも、英語の勉強では、

・机に向かって勉強
・お風呂で復唱

↑高校時代にこのような癖がついていたのですが、


「机に向かって勉強」では、
教科書や参考書を学んだことを、最後に音読し、

それを、お風呂のリラックスタイムで
ぶつぶつ呟いていたことと、

「練習・休憩のパターン」が重なって見えるのです。


特に、苦手なところ、言いにくいところを繰り返しました。


実際、私は単語帳の暗記が大の苦手で、
学校の小テストの直前に仕方なく頭に詰め込んでいたレベルでしたが、
(当然それで覚えることは少ない)


語彙力はそれなりに付きました。

どうやって身につけたかと言うと、
リーディングの教科書を音読です。

しかも、単語を身につける目的で
しゃかりきに読みまくったというより、

英語をスラスラ読めるようになりたいと思って
声に出して読んでいたら、

単語も一緒に「おぼえちゃった」という感覚に近いです。


ですので、
英語をスラスラ読めるようになりたい、
語彙力もつけたい、

このふたつの願望を満たすには、すごく良いと思います。


特に、学びの初期の方が
再生率が高いそうなので、

初めて行う音読やシャドーイングの、ちょっと慣れない時に、
短時間の練習〜短時間の休憩、、、と繰り返すと
良さそうです・・・!

replay rates during early learning were significantly higher than during late learning.


もちろん、文法問題を音読することも
きっと同じ理由で有効でしょう。

原文を手繰ってみましょう

最後に、英語の原文をすこしだけ手繰ってみましょう。


・Waking replay bursts occur during short rest periods interspersed with practice

waking replay ・・・”目が覚めている状態での再生”
ここではduring short rest が続いているので、短時間の休憩中に起きた状態で(眠らずに)再生することを指します。


bursts occur during short rest periods

短時間の休憩の間にバーストします。
 *burst:バースト=急激に起こる



・Replay is temporally compressed by approximately 20-fold relative to the practiced skill

再生は、練習の20倍に圧縮されます。
 * compress:圧縮する
 * 20-fold:20倍



脳科学のような専門的な話だと、
日本語もどの訳を選んだら良いのか、迷ってしまいますよね。

・・・というか面倒ですよね・・・。


でも、英語は意外と易しい単語が使われていたりするので、


【正しい和訳】ができなくても、意味がわかる。

ということもよくあります。


英語を英語として読めるようになると、
訳語を選ぶストレスも減るので、

https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(21)00539-8



あなたが「うまく行った!」と思ったこと

ここからは、雑談的な、内容になりますが、


どんなジャンルでも、
得意なこと、上手になることって、

「そのことを無意識に考えてしまう」

そんな感じだったりしませんか?


私はバスケットボールが大の苦手でしたが、バレーボールは好きでした。

高校の体育祭の前は、
レシーブや、アタッカーにトスを上げる感覚を
よくイメージしていました。


映画で、英語のセリフを聞き取れたら、
湯船で温まっているときに「どんなふうに言っていたか」を思い出して、
真似てみる、といったことをしていました。


おそらく、これが「休憩中の再生」に似ているんじゃないかな、と思います。

スポーツも、勉強も、その「最中」で体感して、
その「後」に、場面を思い返して反芻する、ということがあると思います。


「好きこそものの上手なれ」

にも通じるものがあると思うのですが、
やっぱり学ぶ時間以外にも、そのことを考えていると
さらなる気づきがあったり、次に活かせたりすると思うのです。


それがもし、「脳の機能」と連動したら、
すごく効果がありそうです。


・・・というのは、私の経験則ですが、
学びの「最中」以外の時間に、「再生」が行われることは
感覚的に理解できますし、

むしろそれを最大化することが、実は突破口になるんじゃないか、と思います。


つまり、

ただ単に休憩するのではなく、
休憩時間にじっくり味わう、脳にしっかり意識させる、


そんな感覚を持つと、どんどん上達する。気がします。
(あくまで経験に基づく感覚です)


生物には個体差はあるし、
実際、人によって得意不得意はありますから、

こうした研究や、
脳の特性を理解した上で、

あなた独自の学習効率を上げていくと、
どんどん可能性が拡がりそうです・・・!!!





わかば