私はカナダで、「英語を教える」ことについて勉強をしたのですが、
(*TESOLといいます。日本でも徐々に知られてきています。)
その中に、「プラトーのステージ」と呼ばれる時期の説明があります。
「プラトー/plateau」は「台地」「高原」の意味です。
平らな地形ですね。
転じて、プラトーには、
「変化や進展のない停滞期」という意味もあります。
(日本語でも、プラトー効果、高原現象などと呼ぶようです。)
たとえば、英語を勉強する時に、I, my, me, mine を理解する初期の頃から、canを覚えて、過去形を覚えて、if や becauseが使えるようになって・・・
理解と知識が進む期間は、右肩上がりです。
それが、ある時期になると、成長を感じなくなり、右肩上がりの成長が平らな横線に変わる。
その平らな時期をプラトーと言います。
これは特に、中級から上級の時に見られる期間です。ある程度勉強すると、この状況に陥るのです。
プラトーとは、成長に必要な時
「伸び悩み」は、嫌なものです。
勉強しても、ちっともスコアが伸びなければ落ち込みます。
でも、この「プラトー」が成長に必要な期間だと知ったら、考え方は変わりませんか?
たとえばTOEICの勉強を一通りすると、
前よりリスニングで聞き取れるようになったり、問題パターンに慣れたり、Partごとの対策をすることで、
初めて受験した時より必ずスコアアップします。
そして、ぜひ知って頂きたいのは、spurt → plateau →spurt の流れです。
「スパート/spurt」は、「ラストスパート」のスパートと同じです。アクセル踏んで、ぐんと上がるイメージですよね。
つまり何が言いたいのかと言うと、右肩上がり → 停滞 → 右肩上がり という期間を経て、英語は伸びていくのです。
あなたが今プラトーのステージにいるとしたら、それはこれまで学習を積み上げた証でもあり、これから成長する前兆でもあります。
精神的に嫌な時期ですが、前向きに捉えて頂きたいですね。
プラトーでしてはいけないこと
スパート → プラトー → スパート
これが必要なプロセスだとわかったら、察しがつくと思うのですが、プラトーの時にギブアップすると、次のスパートに移れません。
ですから、この時期に諦めてはいけないんです。絶対に・・・!
プラトーは一時的です。
そして、次の成長への準備期間です。
1人で勉強していると、なかなか意識しにくいとは思いますが、英語学習の鉄則:「とにかく継続」、これを貫くことですね。
継続に間違いはありません。やめたらそれまで積み上げたものを失います。
プラトーで大事なこと
プラトーの概要がわかると、モチベーションと継続がカギになることがわかると思います。
その上で、何が大事かと言うと、
「やることをちゃんと決める」
ということです。
決め方は、何ができていて、何ができていないか、得意なことと不得意なことを整理すると良いでしょう。
その中から、やるべきことを取り出して、やりたくないことを除いていきます。
プラトーの時はモチベーションが下がりがちなので、嫌なことはなるべく少ない方が良いですよね。もちろん、鉄の意志があれば、「やるべきこと」を優先的に考えていきましょう。気持ちを重視するか、戦略を重視するかは、あなた次第です。
「やることをちゃんと決める」
これが大事なのは、なんとなく、その日の気分で学習内容を決めると、進歩を実感しにくいためです。プラトーは伸び悩みが辛い時期なので、自ら進歩を感じにくい行動を選ばないようにしましょう。
気をつけたいのは、「あれもこれも」と気になって、全部が中途半端になることです。「あれもこれも」は、複数のことを考え、時間や手間をかかりますが、中途半端だと結局「やってるのに報われない」ような気持ちになってしまいます。調子の悪い時こそ、テーマを絞って、計画倒れにならないようにしましょう。
この後のスパートへの準備期間なので、基本の確認もとても良いと思います。
プラトーのステージも、賢く利用してスキルアップにつなげていけると、良いですね。