読解力を上げるために
単語学習をしているのに、
それが無駄になるとしたら、
・・・悲しいですよね。
あまり意識されていないことですが、
単語学習を間違えると、
文章理解にマイナスの影響が出てしまいます。
意味が瞬時にわかる!それが理想の語彙力
文章をすらすら読みたいから、
語彙力が欲しい。
それって、
見た瞬間に単語の意味がわかる!
そんなイメージですよね。
でも、間違った覚え方をすると、
・一応知っている(はず)
・文章中にあっても、意味を思い出そうと止まる
こんな現象になります。
結構多いんです。
覚えようとした記憶はあるけれど、
瞬間的に思い出せない、という現象ですね。
それでは、すぐに文の意味がわかりません。。。
こうなってしまう
単語の学習方法は、
場合によっては
文章の理解力=読解力を
落とす原因になります。
瞬時に意味がわかる条件があります
では、
・瞬時に意味がわかる
・止まって考えてしまう
この差はなぜ
生まれるのでしょう?
「瞬時に意味がわかる」
それはどうしたら
出来るのでしょうか?
瞬時に意味がわかる状態は、
単語の理解が「自動化」されている状態です。
自動化については、
あまり知られていないと思いますので、
例を挙げて説明しますね。
たとえば、apple。
すぐに、何かわかりますよね。
ほとんどの人が、頭の中にりんごのイメージを持つでしょう。
では、coffeeは?
コーヒーカップに入った、
温かく香りのいい飲み物が
思い浮かびますか?
単語の自動化とは、
このようにスペルを見て
瞬時に意味がわかることです。
「意味がわかる」とは、
りんごのイメージや
コーヒーのイメージまで
脳裏に浮かぶ事です。
日本語の訳を “暗記できている”とは少し違うんですね。
感覚レベルで
単語を理解している事です。
りんごやコーヒーのように。
単語が “自動化” されたときの脳の動きとは?
脳の働きに注目すると、
色々なメカニズムがわかります。
自動化にも、
脳内での動きがあるんですね。
そのポイントの一つが “音” です。
自動化された単語は、
実は脳内で瞬時に、
“音” も認識しています。
apple
coffee
このスペルを見た時に、
アップル
コーヒー
頭の中でこう発音しますよね?
日本語のカタカナ読みであろうと、
英語の発音であろうと、
どちらでも良いのですが、
発音が当たり前のように
わかっていると思います。
この、
発音がわかることが、
「自動化」に大きな意味があります。
なぜなら、
スペル → 発音 → 意味
この順で、脳は、単語の意味を
“認識” するからです。
apple や coffee は
「簡単だからわかって当たり前」と思うかもしれません。
もちろんその認識の通りではありますが、
なぜ簡単か?というと、
スペル・発音・意味が一体となって
「自動化」されているからなのです。
だから文章の理解力が落ちる
カンの良い方はもうお分かりでしょう。
読み方、つまり
発音がわからないと、
文章の理解力が落ちます。
なぜなら、
スペル → 発音 → 意味
この 真ん中にある、
“発音” が
妨げになってしまうからです。
これこそが、
読解力を落とす原因です。
脳は一度にたくさんのことを
考えられませんよね?
この発音が妨げとなっている時に
何が起きているかというと、
読み方に集中して、
意味に対する注意が不足する
・・・ということなのです。
「何て読むんだろう?」と
読み方が気になって、
意味まで頭が回らない。
そんな状態です。
英文を読んでいて、
知らない単語にぶつかった時に、
どんな感覚かを思い出してください。
Honorificabilitudinitatibus
この単語を見たら、
どうですか?
「ホノリフィ・・・」と読もうとしていませんか?
それが、意味以前の動きです。
単語の意味を瞬時に理解し、すらすら文章を読む!
文章を読む時は、
はじめから終わりまで、
あらすじをつなげて理解したいですよね。
文脈に集中することが大切です。
ひとつひとつの単語で
いちいち突っかかっては、
文脈に集中することはできませんし、
文脈どころか、
一文の意味をとることにも
時間がかかってしまいます。
だからこそ、語彙力を高めたいはずです。
せっかく単語を増やそうと
時間を費やしても、
効率が悪かったらもったいないです。
瞬時に意味がわかるように、
「自動化」を意識して、
語彙力を高めていきましょう。